ぶらあぼトップ > bravissimo! > ベートーヴェン:ソナタ 第12・13・14番/大井浩明
京都でのフォルテピアノ9台を用いた全曲演奏会が大きな話題となった大井浩明のベートーヴェン。ソナタ全曲に加えリストが編曲した交響曲まで(しかもリスト時代のフォルテピアノまで持ち出して)弾ききったことが大きな話題を呼びました。
ベートーヴェン存命時(1800年前後)、フォルテピアノという楽器は見違えるような変革、発展を遂げました。彼は新しく作り出されてゆく楽器に強い興味を持ち続け、アクション機構や音域、多彩なペダル機能の効果を、その都度、自作品に取り入れていきました。その多くは、記号や文字で仔細に楽譜に書き込まれているものの、作曲者死後約50年を経過してから現在の形に整えられた鉄骨製のモダン・ピアノでは、再現不能な指定も多く、実際には数々の妥協を強いられているのが現状です。
そして、問題をややこしくしているのは、フォルテピアノの「進化」はモダンへ向かって一直線に驀進したわけでもなく、またベートーヴェン自身の希望どおりに「応答」したわけでもないことです。ベートーヴェンの天才的イマジネーションは、当時のフォルテピアノの限界も現代のピアノの制約も遥かに凌駕してしまっているのです。
大井浩明
京都市生まれ。スイス連邦政府給費留学生ならびに文化庁派遣芸術家在外研修員としてベルン芸術大学(スイス)に留学、B.カニーノにピアノと室内楽を師事。同芸大大学院ピアノ科ソリストディプロマ課程修了。また、チェンバロと通奏低音をD.ベルナーに師事、同大学院古楽部門コンツェルトディプロマ課程も修了した。A.シフ、L.ベルマン、R.レヴィン(以上ピアノ)、L.F.タリアヴィーニ(バロック・オルガン)、M.シュパーニ(クラヴィコード)等の講習会を受講。ガウデアムス国際現代音楽演奏コンクール(1996/ロッテルダム)、メシアン国際ピアノコンクール(2000/パリ)に入賞。朝日現代音楽賞(1993)、アリオン賞奨励賞(1994)、青山音楽賞(1995)、村松賞(1996)、出光音楽賞(2001)、日本文化藝術奨励賞(2007)等を受賞。
これまでにN響、新日フィル、都響、東京シティ・フィル、仙台フィル、京都市響等のほか、ヨーロッパではバイエルン放送響、アンサンブル・アンテルコンタンポラン(パリ)、ASKOアンサンブル(アムステルダム)、ドイツ・カンマーオーケストラ(ベルリン)、ベルン響等と共演。「ヴェネツィア・ビエンナーレ」「アヴィニョン・フェスティヴァル」「MUSICA VIVA」「ハノーファー・ビエンナーレ」「パンミュージック・フェスティヴァル(韓国・ソウル)」等の音楽祭に出演。仏TIMPANIレーベルでの『クセナキス管弦楽全集』シリーズには2002年から参加、アルトゥーロ・タマヨ指揮ルクセンブルク・フィルと共演したCD《シナファイ》はベストセラーとなり、ル・モンド・ドゥ・ラ・ミュジック“CHOC”グランプリを受賞した。2004年秋には第2協奏曲《エリフソン》世界初録音が同レーベルからリリースされた。
近年は歴史的鍵盤楽器による古楽演奏にも力を入れ、初期バロック音楽に焦点をあてたチェンバロ・リサイタル、バッハ《平均律第1巻》《同第2巻》《フーガの技法》全曲によるクラヴィコード・リサイタル、委嘱新作を含めたオルガン・リサイタル、モーツァルト・クラヴィアソナタ全17曲によるフォルテピアノ・リサイタル等を行っている。 2006年秋には、日本モーツァルト協会例会にて寺神戸亮指揮レ・ボレアード(古楽器オーケストラ)とフォルテピアノで協奏曲(KV453)を共演すると同時に、グラスハーモニカ作品(KV356/KV617)もオリジナル楽器(Finkenbeiner, 430Hz)で紹介、その成果により第61回文化庁芸術祭新人賞を受賞した。
クセナキス (1922-2001)/Orch.works Vol.3-synaphai: Tamayo / Luxembourg.po 大井浩明(P)
クセナキス (1922-2001)/Orch.works Vol.4: Tamayo / Luxembourg.po 大井浩明(P)
ベートーヴェン/(Liszt)sym 1 2 Etc: 大井浩明(Fp)
ベートーヴェン/Piano Sonata 12 13 14 : 大井浩明(Fp)
ベートーヴェン/Piano Sonata 9 10 11 : 大井浩明(Fp)
Ludwig van Beethoven
(1770-1827)
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
Sonatas for Fortepiano
Plaudite Amici V
Sonata No. 12 in A flat Op. 26 "Funeral" 19:50
Sonate Nr. 12 in As-Dur Op. 26
ソナタ第12番『葬送』 変ロ長調 作品26
I Andante con Variazioni 8:01
II Scherzo. Allegro molto-Trio 2:51
III Marcia funebre sulla morte d'un Eroe 5:24
IV Allegro 3:33
Sonata No. 13 in E Flat Op. 27 No. 1 "Quasi Una Fantasia" 16:09
Sonate Nr. 13 in Es-Dur Op. 27 Nr. 1
ソナタ第13番『幻想曲風ソナタ』 変ホ長調 作品27の1
I Andante - Allegro - Andante 5:20
II Allegro molto vivace 2:14
III Adagio 2:18
IV Finale. Allegro vivace 6:16
Sonata No.14 in C sharp minor Op. 27 No. 2 "Moonlight" 16:47
Sonate Nr. 14 in Cis-moll Op. 27 Nr. 2
ソナタ第14番『月光』 嬰ハ短調 Op.27の2
I Adagio sostenuto 7:11
II Allegretto 1:59
III Presto agitato 7:36
Total 52:46
Hiroaki OOI, fortepiano
[Anton Walter/ Paul McNulty 2002]
大井浩明
[フォルテピアノ/アントン・ワルター・モデル]